2014年1月12日日曜日

高知県行きの飛行機の中で書いた日記

(昨年12月26日に飛行機の中で書いた日記)



高知県の限界集落で2週間を過ごす事になった。





高知県は知人曰く日本一、遠い場所らしい。
距離で言えば遠くはないのだが陸路が遠い上に海がある。


陸路は60年代に新幹線等を通して欲しい、と言う要望があったらしいが時の首相が「四国なんて言う『お遍路』しか来ない場所に新幹線なんぞ通しても無駄だ!死者や水子を供養するのに新幹線を使うと言うのか!それじゃ英霊達が浮かばれない!」と蹴ったらしい。


個人的には沖縄よりも『ナイガシロ』にされているのが四国であり、その最もたる国が『高知県』であり『長岡郡大豊町』である。



携帯電話はDOCOMOとauしか繋がらない。インターネットはADSLしかない。

主なインフラは『回覧板』。

平均年齢は65歳以上

一人よりも猪の方が多く、犯罪と呼べるようなモノが殆んどないので警察も殆どいない。だから自動車道は必然的に『アウトバーン』状態、と言うか時速120kmがデフォルト。

高知県に行く事になったが職場から給与を貰ってない。

零細企業で創業50年なので給与は『手渡し』なのである。

だが、仕事に対して完全に疲れ果てた・・・と言うか職場を思い起こすだけで吐き気がするほどなので受け取りに行くのも難儀だ。

振込みにしてくれないか?と頼むが渋る。渋る理由が判らないのだが単に面倒臭いだけだろう。

年明けに受け取る事にして高知県へ。




高知県に行くにはバスや鉄道があるらしいが、他県に行くのに『地上』『地面』を走りたくないモノである。
何度も言うが、21世紀を過ぎた現在で地面を素早く走って褒められているのは


陸上競技

ゴキブリ

新幹線


くらいなもんだ。大体、新幹線も時速300kmと言っても常に300kmではなく100km程度。
実際には500kmまで出せるらしいが、出さないのが『オモテナシ』と言うものだ。
そんな『オモテナシ』なんぞはいらない。


で、叔父と話してグッタリと疲れる。もう、叔父(社長)と話すだけで疲れ果ててしまうのである。


暫くグッタリとしながらも荷造り再開。


荷造りと言っても私なので荷物を殆ど梱包or整理整頓せずに『カバンに詰めるだけ』なんだが。

多分、忘れ物はないはず・・・。だが、不安になるので何度か確かめる。

多分、大丈夫なはずである。




丸の内線新高円寺から新宿。新宿から品川。品川から羽田空港。

まだ26日だと言うのに空港はごった返している。何だか中国の旧正月での北京駅を彷彿させる光景である。

「スリがいるぞ!」

と言う大声があがる。人込みに紛れて善からぬ事をする人もいるらしい。

「ママー!ママー!」と泣き叫ぶ子供。

割り込んだ、邪魔するな、と殴りあう白髪の紳士。

「被災地の復興の為に寄付をお願いします」
と薄汚い募金箱を持って金をせびる似非慈善団体。

アフリカ人らしき女性が「母親の手術費用の為に寄付をお願いします」
と叫んでいる。

隣では共産党が「自民党の一党独裁制時をぉ~!」とメガホンで叫び、その共産党員の横では右翼が「アメリカの奴隷なった政府はぁ~!」と叫んでいる。暫くすると双方、メガホンで殴りあい始めた。だが、どれに対しても皆、無視を決め込んでいる。疲れきった表情だ。


別れを惜しみながらディープキスどころか下着に手を突っ込みながら愛撫しあう恋人達

恐らく無断と言うか家庭用プリンターで出力したクリスチャン・ラッセンの絵葉書を売り付けて来る貧乏臭そうな子供。子供を遠巻きに関しているDQNな親子。

金持ちそうな中年男性に春を売ろうと交渉する中学生女子。

だが、このテの女子中学生を買うと後で美人局である親(DQN)が脅迫してくるのが常なので無下にあしらわれている。
「いーじゃん!あたしの超絶技巧のフェラを体感したくないのぉ?貴方のテポドンは飾りぃ?1万5千円でいーからさー!」と今日の東京は最高気温-18度だと言うのに生足で迫るが、そんなのに惹かれるのは修学旅行生くらいなもんだ。

空港の向こうから銃の発砲音がしたので空港で警備している警察が一目散に殺到する。
皆、一斉に伏せる。暫くすると目を血走らせた男性が意味不明な事を叫びながら屈強な警察官達に取り押さえられていた。

どうなるのかな?と思っていたら若い警察が素早く男の後頭部に銃を突きつけ発砲。
男は静かになった。だが周囲は赤く汚れた。

「おとーさーん!東京バナナ食べたい!東京バナナ食べたい!」
と子供が叫ぶ。

私の隣の疲れきった表情の男性が
「おい!おとうちゃん!東京バナナ位、買ってやれよ!」

と言うと周囲から笑い声が起きた。父親らしき人物は男性を睨みながらも土産物屋に向かった。


飛行機は其の事もあったのか30分も遅れた。



アナウンスでは貨物の積み遅れが原因なんだとか。スチュワーデスに聞くと原発で使う為の『濃縮ウラン』を積み込むのだが、容器が壊れてしまったらしく周囲が一気に汚染されたんだとか。
大急ぎで除染をしようとしたのだが激しい放射線で誰も近づけない為、遅れている、と言う。
直ぐに決死隊を作って除染するので、もう少し待って欲しい、と。


飛行機を飛ばす処の騒ぎではないのではないか?と思うのだが30分後に飛行機は動き出した。無事に液体濃縮ウランの積み込みには成功した『らしい』とスチュワーデスは言う。


この文章は飛行機の中で書いているのだが、私の椅子の下には濃縮ウランが積まれているのかと思うと聊か、生きた心地がしない。
思えば先ほどから鼻血と頭痛が止まらない。髪の毛が季節代わりの猫の如く抜ける。

無事に四国まで辿り付けるのだろうか。


しかし、JALを使うのは久し振りだ。と言うか何年ぶりだろうか。

幼い頃、家族旅行で東京ディズニーランドと『つくば万博』に行った時にJALだった。
当時のJALは日の丸親方だったから、サービスは凄かった。
「流石は飛行機は違う!」
と子供心に思った。其れまで長距離旅行と言えば車か、『寝台車』だったから。寝台車も赴きがあるが最近は流行らないらしい。

しかし、JALも潰れかけた為なのか『高知逝き』だからなのか余り素敵な感じではない。何と言うか新幹線みたいだ。
だが、椅子は足元が広い。この辺は流石はJALだ。

あと15分で到着するらしい。

電源を切ってくれ、と言うお達し。さて、人外魔境へ。

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