2016年6月19日日曜日

宙づりというサスペンス@BankART Studio NYK



【宙づりというサスペンス@BankART Studio NYK】

https://www.facebook.com/events/291969351144892/

上京して18年になるが神奈川県横浜市にはKO.DO.NAとしては3回しか行った事がない。

一回目はKO.DO.NAとしてライブ。
二回目もKO.DO.NAとしてライブ。
三回目は『YMOオフ会』

である。

あ、思い出したが4回だ。確か行ったら電車遅延(人身事故)で電車が遅れて到着したらライブが終わっていて、ライブの参加していた女性を口説いて、あと一歩って処で知人に邪魔されて落とせなかった、と言う苦い思い出がある。
あの恨みは一生忘れない。

とは行っても行くのは数年に一度。何しろ都内から遠い。行く理由も特にない(良いパイプ店があったが。変わったパイプが多くおいてある。あと、中華街の近くに『魔女』がやっているハーブ店がある。日本最古の『魔女店』らしい)。

そんな私が珍しく

『宙づりというサスペンス@BankART Studio NYK

に行く。


音楽は私が作っているからなんだけども。


行く前にボケ老人が倒れていて、職業病なのか介抱して、家に連れて帰る。脳梗塞か?と思い直ぐにチェックしたが脳梗塞ではない様子。ボケ老人の妻はボケてないので

「念のため病院に相談してください」

と行って家まで送る。

そんな事もありながらも珍しく時間前に到着。

遅刻魔である私が遅刻しないのは、5845億年に一回である。つまり『梵天の塔』がコンプリートされると遅刻しない。
だから今後も遅刻すると思う。
恨むなら梵天の塔を恨め。


早く着いたのでコーヒーでも呑みながら海を眺めようと思うと何故か、カフェテラスと言うか横浜アートバンクの敷地内で100円均一で買ってきたであろうバケツを頭から被って暗黒舞踏のような事をしているオッサンがいる。

それを撮影している『如何にもアート系のカメラマン』と言うか、何処となく『ヤン富田』に似たオッサンが写真を撮っている。

横には『如何にもサブカル女!』と言う女の子というか、そんなのが暗黒舞踏みたいな事をやっている。


1:『クイック・ジャパン』のバックナンバー揃ってます
2:椎名林檎が大好きです。
3:ビョークも大好きです。
4:処女を捨てたのは27歳です。
5:最近、3年も交際している彼氏から「お前はセフレ」と言われ困惑しています。
6:ヘルパー2級の免許を持っています。
7:髪型はオカッパ
8:生理の際は布ナプキンです。
9:無駄毛の処理?それって何ですか?
10:高校時代、私を『ブス』と言った同級生男子の事を未だに恨んでいます。
11:『スーパーマリオ・ブラザーズ』を一面から進んだことがありません。
12:ゴミの分別?それって何ですか?
13:『神聖かまってちゃん』のライブで泣いた事があります。
14:生理は年に4回しかきません。春夏秋冬です。
15:昨年までは『ツイキャス』と『ニコ生放送』をやっていました。
16:トランポリンすると眩暈がします。
17:洋服は母親が買ってきます。
18:近所の温厚な猫に常に威嚇されます。
19:近所の温厚な犬に常に威嚇されます。
20:先日、姪に「おばちゃん」と言われたのがショックで鬱病になって心療内科に通っています。
21:実はヤリマンでもあります。
22:エイズ以外の性病はコンプリートしました。

と言った感じの女の子。

ヤン富田と言うか

1:白髪で長い髪(後ろで束ねている)
2:軽くヒゲ
3:GAPで買ったであろうTシャツ(お腹出ている)
4:ユニクロで買ったスリムフィットパンツ
5:似合わないコンバースのスニーカー
6:『ブルーハーツ』と『ブルーコメッツ』の違いが未だに判らない。
7:脱原発


と言った風貌のオッサンが必死と言うか「俺!アート的な事をアート的な場所でやってまっせ!」と言う感じで撮影している。

コーヒーを呑みながら、サブカル女の頭にコーヒーをぶっ掛けたい衝動に駆られる。

「デジカメのメモリーっつーかSDカードって中国の貧農の末っ子達が時給25円位で命を削りながら作っているワケ。フィルムの無駄遣いとは言わないがメモリーの無駄遣いだよなぁ」

とため息が出る。


時間になったので会場へ。


行くとただっ広い空間がある。コンクリート剥き出しで、大きな柱が3本。

舞台にはフォークとスプーンが山になっている。


始まると出演者達がスプーンとフォークを持ち始めて・・・



大傑作だった。



ダンス作品でありながら、音響作品と言う驚愕の内容。


深谷正子さんの作品を観たのは2004年の麻布die prazteだった。その時にも度胆を抜いたのだが、久しぶりに

『コリオグラファー:深谷正子』

のマジック炸裂である。私が初見だった『よるのそくど』と言う作品はダンサーだけで構成されていたが、今回はダンサーが半分。あとはミュージシャンや役者である。

その個々の身体性が浮き彫りになっていて、特に中盤から後半にかけては世界が一新されるような速度と密度、生々しさがあった。

『生々しさ』と言っても誰も脱ぐわけではない。

もう、この辺は『深谷マジック』としか言いようがなくて、手品のような、と言うか。なんだろーな。判りやすい例えが見当たらないのだが

『水爆実験』
『アポロ11号の発射の瞬間』

とか、そんな感じ。一瞬なんだか、長いのか判らない爆発と言うか。

横浜まで行って見て良かった。10年に一度の大傑作だったと思う。



音楽は私が提供しているのだが、余りのスケールの大きさに自分の音など気にならない。


途中で関口大氏がブルースハープを吹くのだが、其れが奇跡的と言うと振付けた深谷さんに申し訳ないが素晴らしいフックになっていた。

ってか、関口さんって『共演者殺し』と言うか。

実は私と関口さんは知らない仲ではなく阿佐ヶ谷のジャム・セッションでお互いの音を聴いている。私はジャズやブルースじゃないので、ある意味『練習』に近いのだが、関口さんとステージにあがるのは中々、大変なんである。

サックスやトランペットでソロをやって関口さんがソロを取ると、もう後は何もやる事がない。

全部、浚ってしまうのであ。

もうペンペン草も生えない、と言うか。だから、関口さんが10割を終える前に6割位やったところで大急ぎで他の共演者が半ば、強引にソロに入る、という感じ。

ブルースハープなのに、ビル・エヴァンスのような、と言うか。青白い炎のような音を淡々と出す。

そんな音を出されたんじゃ、此方もトランペットでメロディーを吹く意味がなくなるし・・・って言うか、私の場合は大抵、演奏を止めて関口氏の音をステージで聴いているだけだったりする。


そんな関口氏が思う存分に吹き捲っているのである。唸りながら吹く。もう、悶絶するしかない。ブルースハープだから音数は限られているのに、1000の音を一息で吹くんである。

ミュージシャンを自称にせよ多少にせよ、あの音を聴いたら普通は郷里に帰る為に新幹線のチケットを買うか、就職する為にモヒカン・皮ジャンを捨てて『紳士服の青山』にスーツを買いに行くもんである。


佐藤ペチカさんとは数年前に知り合ったのだが、佐藤ペチカさんのダンスは2回しか観てない。だが、今回は

「ペチカさん、すっげー!」

と言うか。

「やべぇ!超→COOO++++++L!」

と言うか。大柄な人ではないのだが軽くターンやジャンプをするだけで縄文杉が動くようなド迫力。屋久杉でも縄文杉でも、もっと言えば都庁とか東京タワーとか、奈良の大仏とか、平等院鳳凰堂とか、皇居とか、歴史とか、米軍とか、オスマントルコ帝国とか、巨大なモノと言うか。

奈良の大仏がジャンプだぞ?

想像できるか?奈良の大仏がジャンプとかターンって!!!

カッコ良かった。


で、隠し玉と言うか
『あしたのジョー』で言う処の『金 竜飛戦』『ハリマオ戦』とか、
『まいっちんぐマチコ先生』で言う『パンチラ・シーン』と言うか、
仮面ライダー・シリーズで言う処の『仮面ライダー:アマゾン』とか、
超合金ロボットの『ロケット・パンチ』と言うか、
『うる星やつら』の第一話の『ラムちゃんのおっぱいポロリのシーン』とか、
プログレで言えば『マグマ』とか、
パンクで言えば『ナパーム・デス』とか、
サイケデリック・ロックで言う『グレイトフル・デッド』の80~90年代のライブとか、
テクノポップで言えば『DAF』とか、
パソコンで言えば『リナックス』とか、
猫で言えば『オスの三毛猫』とか、
演劇で言えば『イヨネスコ』とか、
戦争で言えば『細菌兵器』とか、
80年代TVで言えば志村けんのバカ殿様スペシャルの『おっぱい・ポロリ』シーンとか、
大磯ロングビーチで言えば『アイドル水泳大会』での『オッパイ・ポロリ』シーンとか、
プロレスで言えば『ラッシャー木村』とか(実は当時のプロレス界で最強だった)
柔道で言えば『グレイシー柔術』とか、
家電で言えば『布団乾燥機』とか、

其れが斉藤直子さんだった。

年齢も上だし、最初は余り気にならなかったのだが途中から目が釘付けである。

特に派手な動きがあるわけじゃない。ただ、その存在と言うか、身体性だけが強烈に主張する。その立ち姿が素敵過ぎる。
観音様かよ、って言うか。

スゲェ、カッコ良かった。もう、恋人にしほしいほど。


で、異形と言うか
ハードコア・パンクで言う『GGアレン』とか、
パソコンで言う『CPUクーラー』とか、
人造人間キカイダーに対しての『人造人間ハカイダー』とか、
Googleに対しての『Firefox』とか、
天皇シリーズで言えば『花山天皇』とか(天皇過ぎて、天皇を辞めちゃった最強の天皇)、

其れが『やましん』さんである。

この人はほんっとズルいと言うか。何をやっても一流なんだよなぁ。何度か競演したが、いつもgooの音も出ない音を出す。
今回も異形の人として際立っていた。


しっかし、『よるのそくど』って2004年なんだよな。それ以来の深谷マジックだった。


公演は明日までです。

こう言う作品は10年に一回。

観ないと10年は後悔する事は間違いない。後悔したくなければ横浜へ、




0 件のコメント: