2016年9月27日火曜日

新宿西口街頭詩人

TVもねぇ。ラジオもねぇ。車もそんなに走ってねぇ。

怪我や病気は全て『狐様』と『水子様』。

爺さんと婆さんが創価学会に向かって拝みだす。(狐とか水子へ畏怖は本当にある)。

地面を掘るとヤクザに殺された死体が出てくる。
もう少し掘ると捨てられた手榴弾が出てくる。
もう少し掘ると邪馬台国時代の遺跡が出てくる。
もう少し掘ると温泉が出てくる。

コンビニもねぇ。ディスコもねぇ。牛を連れて2時間ちょっとの散歩道。

っつーか、私の実家は代々、犬がいたのだが何故か私が『散歩担当』となっており、2時間ほど散歩をさせていた。

面倒臭かった。

親父が双極性障害で困ったことになった時は祖母が、何処から見つけて来たのか『祈祷師』を呼んできて、不思議な儀式をやっていた。

そんな田舎が嫌で、劇団唐組で一旗あげて故郷に錦を飾ろうと思い、夜行列車で風呂敷一つ抱えて上京したのが1998年。


唐組に入団したは良いが、無茶苦茶な劇団で心底、ウンザリしていた(唐組に入団したことは間違いではなかったが)。
それよりも『東京生活』と言うのに驚いてばかりの日々だった。


1:標準語
2:ラーメン
3:人の多さ
4:夜の明るさと五月蝿さ
5:物価の高さ
それまで住んでいた九州の片田舎とは何もかもが違った。


で、その頃から気になっているのが


『新宿西口の街頭詩人』
『新宿西口で志集を売る女性』


である。
「やはり、こう言う人がいるんだなぁ」
と思った覚えがある。
福岡の劇団で『ゲリラ演劇』『路上演劇』のような事もしていたから違和感はなかったが、何だか、その『佇まい』が異様・異形だった。
年齢は私と変わらない気がした。当時、私は21歳だったが同い年くらいかな、と。
で、多少、お金があるときに
「一冊、下さい」
と300円で買った。


それから見かける度に買っている。

『志集』





である。

先日、新宿を歩いていたら久しぶりに遭遇したので買った。
購入するのは数年ぶりのような気がする。
以前は『うら若き・・・』と言うか清楚な女性だったが、流石に年齢を重ねてきた感がある。

「1冊、下さい」

と言うと

「400円です」

と昔に比べて100円の値上がり。値上がりの理由を聞きたかったが、恐らく中東情勢による石油の値上がり→パルプに値上がり→印刷代なのだろう。
そんな訳がないんだが。

「これ、最新号ですよね?」
「あ、はい」

と言う。

この『志集』だが、意外と号数によって内容が違う。書いている本人の心境や詩に対してのスタンスが変わるからだと思う。

買い始めた頃は「とても、読めたものではない」と言う程

『重く』
『ヘヴィー』

だった。
最新号のタイトルは『私はそれどころじゃない』と、ちょっとだけ面白い。
最初は可也、片意地が張っている文体だった。
10年後位には少し力が抜けてきた感じ。
最新号は何だか良い。

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詩が面白い
死ぬことが出来る
時があるかも
知れないから
おもしろい
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『新宿西口街頭詩人』
にとって、詩はオープンマイクとか、ネットで書いたりするものではなく、コピー用紙をホッチキスで止めて、新宿西口で売る事なんだと思う。
詩ではなく志と言っているが、本人にとって『詩』と言うのは『行為』であり『行動』なんだろうなぁと思う。
それって、最高にCOOLじゃないか。




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